Power Architecture向けGNUベースC/C++コンパイラスイートは、業界最速のビルドシステムの1つです。並列コンパイルにより、ビルド処理をスピードアップするために、同時に複数の起動を行うことができます。 Power Architectureの強力な32ビットアーキテクチャの優位性をフル活用することで、HighTecのコンパイラスイートは、柔軟性を持った先端の最適化技術と必要なハードウエア制御を実現します。コンパイラはループの最適化、インライン関数、グローバルオプティマイズなどの最適化機能を持ちます。コンパイラは標準PowerPC命令と可変長エンコード命令(VLE=variable length encoding )を生成することができます。VLE命令は、モジュールごとに指定して生成可能です。 Power Architectureのアーキテクチャは、サイズ、または実行速度に対する最適化のために、豊富なアドレッシングモードを持ち、コンパイル時にアドレス演算を省略したり、アセンブラ命令にアドレスをエンコードすることが可能です。HighTecコンパイラは、ソースコードの#pragma記述により異なるアドレシングモード使用することで、適切なメモリへのコード、データの分散やアロケーションを制御することができます。 AUTOSAR オペレーティングシステムに合わせて、ベンダーは排他的な使用のために個別のTriCoreレジスタを予約する必要があります。このために、コンパイラはいわゆるFixedレジスタ(コンパイラが通常使用しないレジスタ)を指定するためのオプションを提供しています。HighTecのコンパイラは、EABIや関連する言語仕様、ISO標準規格に完全に準拠しています。 自動車ソフトウエアは、複数のプラットフォームへのポータビリティーを要求します。HighTec コンパイラは、配置独立コード(PIC=position-independent code)、配置独立データ(PID=position-independent data)の生成をサポートしています。これは、開発やテストプロセスにおいて、自動車ECUソフト開発に有用な機能です。 【主な機能】 ・ロバスト性に優れ、コンパクトで高速な実行コード ・AUTOSAR MCAL ドライバをサポート ・ANSI/ISO 準拠 ・マルチコアサポート(ISO/EABI 準拠) ・VLE、SPE をサポート ・長期間に渡る安心のサポート ・商用の標準、マスライブラリ(非オープンソース) ・異なるアドレシングモード
機能詳細03
ISO 26262対応
ISO 26262によると、自動車分野でのアプリケーション開発者は、特定のバージョンのツールにより生成されたソフトウエアを再現することが要求されます。HighTec社は、固定ツールバージョンに対するバグフィックスなどのサポートを提供します。 エラー検出や予防策のために、HughTecは洗練されたバグ検出コンパイラ(bug-finding-compiler)を提供しています。これにより、シリコンのバグやコンパイラバグに対応することができます。このコンパイラは、ユーザーアプリケーションコードを検査し、アプリケーションが前述のバグの影響を受けるかどうか、また、もしも影響を受ける場合には、どのモジュールが影響を受けるかの情報を出力します。ユーザーは、影響のあるモジュールのみのビルドを行うだけで済み、アプリケーションのビルドに対する時間とコストを削減できます。 ツールの信頼性に関しては、GCCベースのコンパイラスイートは20年間に渡り、一般のアプリケーション開発に使用されています。自動車の分野では、HighTecのGCCベースのコンパイラは、Tire-1やOEMのプロジェクトにおいて10年以上の使用実績があります。長期間、広範囲に渡りワールドワイドで使用されている実績や、確立した開発やレビュープロセスによるコンパイラスイートの開発は、ソフトウエアツールの品質の高さの証明です。さらに、商用またはオープンソースのテスト環境が、ツールチエーンの品質確認に使用されています。