導入事例

  • PLAS-Qlite

    株式会社オーバス様

    今回は、車載ソフトウェアのBSW(ベーシックソフトウェア)開発を行っている、株式会社 オーバス様に「PLAS-Qlite V2」のご導入のきっかけや活用事例をインタビュー形式でお届けします。

PLAS-Qlite V2 活用事例インタビュー

「PLAS-Qlite V2」は、制御ソフトウェアの実行時間をPC上のシミュレーションを用いて実機レスで確認可能なパフォーマンス検証ツールです。制御の許容時間オ―バーを早期に検出することで手戻り工数を大幅に削減します。

今回は、車載ソフトウェアのBSW(ベーシックソフトウェア)開発を行っている、株式会社 オーバス様に「PLAS-Qlite V2」のご導入のきっかけや活用事例をインタビュー形式でお届けします。

インタビューさせて頂いたユーザー様

株式会社 オーバス 開発ユニット 開発第3セクション 第6開発グループ 柳澤 幸男様

株式会社 オーバス 開発ユニット 開発第3セクション 第7開発グループ 白井 亨様

インタビュアー

ガイオ・テクノロジー株式会社 嶋田 卓尚

01 開発対象について

車載用BSW(ベーシックソフトウェア)について

  • 嶋田:
    オーバス様の会社紹介をお願いします。
  • 柳澤様:
    設立が2016年4月で、車載国際標準のAUTOSARに準拠したBSWを開発しているデンソー資本が51%の会社です。
    オペレーティングシステムの他に、通信やセキュリティなどの機能化されたモジュール部品も開発しています。
    クルマそのものを作っているというよりは、アプリケーションや制御の最下層となるソフトウェアを開発しているという位置づけになります。
  • 嶋田:
    お二人はどのような役割を担当されていますか?
  • 白井様:
    私は、ダイアグ通信の機能開発を担当しています。
    「ダイアグ(DIAG)」を簡単に説明すると、クルマの内部情報を蓄積し、外部ツールから読み出して診断する機能となります。
    つまり、クルマの「走る、曲がる、止まる」という主機能を担っているというよりは、何か故障が発生した際に、蓄積した情報を用いて診断するのが「ダイアグ」です。
  • 柳澤様:
    私は、「リプログ」という車載ECUのソフトウェアを書き換えるモジュール部品の開発を担当しています。
  • 嶋田:
    開発する上で、特に気をつけていることはありますか?
  • 白井様:
    ダイアグは、蓄積する情報の仕様が法規で定められています。
    法規に違反してしまうと、リコールにつながる可能性があるため、仕様に準拠するよう、細心の注意を払って開発を進めています。
  • 柳澤様:
    リプログは、ソフトウェアに不具合があった時に書き換えるためのソフトウェアであるため、リプログ自体の不具合が許されません。
    また、常に10種類弱ぐらいのマイコンに展開しなければならないため、マイコンの特性に合わせた開発する点が、難しくもあり、やりがいがあります。
  • 嶋田:
    開発されるモジュール部品の実行許容時間は明確に定義されていますか?
  • 柳澤様:
    私どものお客様(Tier1)が開発されるECUは多種に渡るためECUごとに許容される制御時間が異なります。また、許容時間について明確な要求を頂けない場合もあります。
    その場合は、弊社の規定や各ECUを考慮した上で、許容時間を定めています。
  • 白井様:
    パフォーマンス検証は、開発プロセスの中で定義されていてロジック確定に必要な工程となっています。許容時間内に収まることが確認できて初めて、ロジックが確定し、単体テスト以降のテスト工程に移行していきます。
02 導入経緯

PLAS-Qlite V2導入の経緯について

  • 嶋田:
    PLAS-Qlite V2導入の経緯についてお聞かせください。
  • 柳澤様:
    弊社はECUを保持していないため、パフォーマンス検証は評価ボード等の実機を用いて行っていましたが、実機の数の制限や実機で計測するための準備工数で悩んでいました。
    そんな時に、レイテンシーを反映したパフォーマンス検証ツール(PLAS-Qlite V1)の紹介があり、評価をさせて頂いたのが、最初のきっかけとなります。
    ただ、残念ながら弊社が利用するには不足する機能があったため、導入とはならず、追加機能を要望させていただきました。

    【要望した機能内容】
    ・機能モジュール(関数結合)レベルのパフォーマンス計測
    ・パフォーマンス計測範囲の指定「※テストシナリオで実行された全体の結果は不要」
    ・指定した範囲の関数に対して最大、最小、平均値を出力
  • 白井様:
    機能追加の背景としては、まず、テストシナリオは、機能モジュールとして設計した方が、イメージし易く、容易であるという点になります。
    ただ、そのテストシナリオを実行してしまうと、例えばダイアグの場合、準備段階の前処理があり、この前処理はパフォーマンス計測対象から除外したいため、計測範囲を指定して、指定した範囲の関数に対して、実行結果を出力してほしいという内容になります。
    その後、要望させて頂いた機能が追加されたため、再度のツール評価の後、導入に至りました。
03 導入後の運用

PLAS-Qlite V2導入後の運用について

  • 嶋田:
    PLAS-Qlite V2導入後の運用についてお聞かせください。
  • 白井様:
    導入当初は、PLAS-Qlite V2だけで計測できるかと考えていたのですが、PLAS-Qlite V2で計測した結果と、実機計測結果には誤差があるため、保証の観点で実機計測と併用しています。
  • 柳澤様:
    ロジックが固まったタイミングでPLAS-Qlite V2で計測後、パフォーマンスの懸念事項を抽出しておき、ここは危なさそうだな…という箇所は、すぐに実機で計測するようにしています。
  • 白井様:
    全てを実機で計測すると時間がかかるため、計測する箇所を極力少なくする為に、計測対象の選定を行うところまでをPLAS-Qlite V2でプロセス化できたことが、改善できた点です。

今後のPLAS-Qlite V2に期待したい機能、要望など

  • 嶋田:
    今後のPLAS-Qlite V2に期待したい機能や弊社への要望はありますか?
  • 柳澤様/白井様:
    今後の要望として3点があげられます。

    1点目は計測精度を高めて欲しいということです。
    精度が上がれば、実機計測の計測作業をもっと削減できるからです。

    2点目は、排他処理時間の計測となります。
    割り込み禁止区間の時間が計測できれば、その間に待機される処理に対して、待機時間も考慮した計測が可能となるからです。

    3点目は、PLAS-Qlite V2の設定時間の削減となります。特にレイテンシーの設定については、特定マイコンの型番の情報をもとに、設定ファイルを提供してもらえると嬉しい、ということです。

    この3点についてご対応頂けると、現在よりPLAS-Qlite V2を更に効率的に利用できると考えています。

まとめ

  • 本インタビューを通して、株式会社 オーバス様では、PLAS-Qlite V2の導入により、実機によるパフォーマンス計測作業の削減を伺うことができました。

    また、PLAS-Qlite V2の計測精度を向上することで、更なる工数の削減が実現できる点も確認ができました。ガイオ・テクノロジーは、オーバス様より伺ったご要望に対し、より良いソリューションを提案できるよう、努めて参ります。
  • 左から株式会社オーバス 開発ユニット 開発第3セクション 白井様、柳澤様