1台に数十個のマイコンが搭載されるようになった自動車開発では、電子制御ユニット(ECU)に実装する組込みソフトウエアの品質を高めることが、自動車の安全性を確保する上で重要なポイントとなっています。本特集では、現在の自動車ソフト検証の主流であるHILS(Hardware In the Loop Simutlation)装置によるソフト検証工程を大きく変えるSILS (Software In the Loop Simulation)について、複数のECUによるFlexRay車両制御システムを例にとって解説します。
自動車の開発では主に、HILS(Hardware In the Loop Simutlation)と呼ばれる車両エミュレータを使用して、ECUソフトの検証、デバッグが行われています。しかしながら、開発現場では、全ての検証工程をHILS に委ねてしまいがちで、ECUソフトが複雑化している最近では、発見された問題の原因の特定が困難なケースが多くなってきました。また、特にFlexRay使った複数ECUシステムの検証は、従来のHILSでは制御が難しいと言った問題も出てきています。
そこで、複数ECUの検証環境に、ハードウエアを使用しないSILS環境を採用して、自動車開発 V字プロセスの早期のフェーズに、システム検証を取り込むことで、テストの網羅性向上やソフトウエア品質の改善を図ろうとする試みが見られるようになりました。本特集では、FlexRayを使用した複数のECU動作検証を例にとり、開発の早期の段階でシミュレーションによる車両システム動作の検証を行う手法、検証システムの内容について解説します。