GAIO CLUB

2003年10月04日

 次世代 画像・音声・通信メディアプロセッサ「BLACKfin」デザインキットをリリース!

GAIO CLUB 特集
GAIO CLUB【2003/10月号】
次世代画像・音声・通信メディアプロセッサ
「BLACKfin」デザインキットをリリース!

メディアプロセッサアプリケーションソフト開発用キット

  • ガイオの「デザインキットシリーズ」に、画像・音声・通信の機能を持つメディアプロセッサ用のパッケージが加わりました。本稿では、次世代メディアプロセッサの本命と言われている「BLACKfin」用のデザインキットをご紹介いたします。

マルチメディア・アプリケーション向け新プロセッサ「BLACKfin」

アナログデバイセズ社のBLACKfin(ブラックフィン)は、CPUとDSPの特長を併せ持つ、全く新しいタイプのマルチメディア・アプリケーション向けプロセッサです。特に、ハイコストパフォーマンス・低消費電力であるため、組み込み用途向けの画像・音声・通信アプリケーションには最適なプロセッサとなっています。

BLACKfinの特長

CPUとDSPの機能を1つのコアに

  • プログラミングの容易なRISC CPUの機能と信号処理用のDSPの機能を一つのコアに統合したユニークなアーキテクチャを持っています。このため、従来<制御用CPU>+<信号処理用DSP>という2チップで構成せざるを得なかったシステムをBLACKfin 1チップで置き換えることができ、大幅なコストダウンが実現できます。

低消費電力を実現しモバイル機器に対応

低コストながらクロック周波数600MHzの性能を持ち、更に1GHz品の投入も計画されています。動作クロック周波数とコア電圧を動的に可変できるダイナミック・パワーマネジント機能により、高性能・低消費電力を実現しています。

デザインキットシリーズにも遂にBLACKfinが登場

ガイオでは、この様なユニークな特長を持つBLACKfinプロセッサに着目し、ガイオ製開発ツールやリアルタイムOSまでも1パッケージ化した評価システムである、デザインキットシリーズの新ラインナップとして、このたび製品化しました。

ARM9・SH4など他のデザインキットシリーズと同様、BLACKfinデザインキットには、開発に必要なハードウェア・ソフトウェアが1パッケージに全て含まれています(評価ボード、コンパイラ、デバッガ、リアルタイムOS(MISPO製μITRON)、サンプルプログラム)。また、TCP/IPプロトコルスタックをご使用可能なネットワーク版パッケージも用意しています。

また、動作中のCPUおよびSDRAMの消費電流を測定できる専用端子や、プログラムの実行速度を正確に測定できるハードウェアタイマーなど、従来のデザインキットからの便利な機能はもちろんそのまま搭載しています。

BLACKfinの適用アプリケーション

BLACKfinは、幅広いアプリケーションにご使用頂けるプロセッサですが、特に低コスト・低消費電力・高性能という特長を生かした組み込み用のマルチメディア・通信アプリケーションへの適用が最適と考えられます。以下にほんの一例をご紹介します。

・ コンスーマ・ビデオエレクトロニクス:デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、DVDプレーヤ/レコーダ、デジタルTV
・ 携帯アプリケーション:ポータブル・ビデオプレーヤ、ワイヤレス情報家電機器
・ 通信およびネットワーキングアプリケーション:テレビ会議システム、監視ネットワークシステム
・ 自動車用アプリケーション:ビデオ利用安全システムCPUDSPADSP-BF533(600MHz)

デザインキットシリーズロードマップ

今回は、ユニークなマルチメディア用プロセッサであるアナログデバイセズ社BLACKfinの評価システムをご紹介させて頂きましたが、デザインキットシリーズは今後益々拡充を図って参ります。

・ OS:μITRON版に加え、Linux版を10月より発売開始
・ CPU:SH4、ARM9:DragonBall MX1に加え、ARM9:DragonBall MXL(MX1のローコスト版)など新CPUにも対応
・ マルチメディア/通信アプリケーション向け:Blackfinに続き、TI社DM642・OMAP版などを企画中
・ ASIC開発用の評価システムとしても展開
・ 高速シミュレータ用エンジンとしても展開

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